ミュンヘンのおやじには気をつけろ!

三年前、ドイツのミュンヘンに一人旅をした時のことです。

海外旅行は初めての経験で、当時24歳の私は、少し危機感が欠乏していませんでした。ドイツということもあって、親近感や親日家が多いことを聞いてはいたし、友人にドイツ人がいたことも気を緩める原因になっていたのだと思います。

街で、携帯で写真を撮っていたら、60歳代のドイツ人男性に声をかけられました。

「日本人ですか?」と声をかけられたので、「え!この人日本語ができる!」と喜んで、「はい!日本人です!」と元気よく返答してしまったのです。すると彼は「私は、前に日本で働いていた」と言って、財布を取り出し、財布のカードケースにある日本の有名企業の名刺を私に見せました。

私はすっかり、この相手を信用してしまったのです。名刺なんて手にいれることは簡単だし、名刺に書かれている名前と、この人が一致するかどうかはわからないのに、名刺=身元が確か=安全と思ってしまたのです。

「よかったら街を案内するよ」と言われ、案内してもらうことにしました。英語を交えながら、歴史や教会のマナーなどを教えてもらいました。

30分くらい経ったころ、香水を売っているお店の前を通った時、私に香水を振りかけ、手に触れて香水をつけてきたのです。触られることを許可したわけでもないのに、すごく急で、気持ちが悪くなりました。ここでやっと、私は怪しく思い始めたのです。

別の教会に行った時、教会でハグを求めてきました。私は全力で拒否しました。逃げたくて、そういうことはやめるように拒否の意向をきちんと説明したし、とても気持ちが悪かったので「電車の時間が迫っているので帰る」と逃げようと思い、伝えました。

彼は「わかった」と言い、駅までの道を案内してくれました。「私はあなたから逃げたいんで!ほっといて!」とは言えなかった。すごくこの時の私は「Noと言えない日本人」になってしまっていたように思います。

さらにも雲行きが怪しくなりました。私は人の通りが多いところを通りたいし、別に案内してくれなくとも駅に自分でたどり着ける自信はあったのです。それに海外でも携帯を使えるようにしていたので、地図のアプリを起動し案内に従って帰ることだって可能でした。

道がおかしい、「こっちは駅の道ではない。私は一人で帰る。」と言っても、「こちらが近道」と返される始末。

「もう逃げよう!」と思ったところで、彼の足が止まりました。

「ここなんだ」と言われた場所は、駅の近くではあるけれど、私の行きたい駅ではありません。「ここが僕の家」といけしゃあしゃあと言うではないですか。「お茶をしよう」と言われ、気持ち悪さが最高潮に。

相手は男性、私は女、力では敵わないので穏便に逃げようと、丁寧にお断りすると、今度は「渡したいものがある」と言い、なかなか引き下がりません。「下心バレバレ」とツッコミを入れ、私はひたすら「No」と何度も繰り返し、なんとかその場を離れました。

後からドイツ人の友人にそのことを話してみると、「ドイツには気持ち悪い日本人マニアがいるから、気をつけなよ」と爆笑され、教わりました。ミュンヘンの日本語をしゃべるおじさんには気をつけてください。

シェアする

フォローする

コメントの入力は終了しました。